私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.51
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焦りは禁物。というけれど…

あれもしなくちゃ、これもしなくちゃと行動せずにいられないとか、「私、このままでいいのだろうか」とそわそわしてしまうとか…。なんとなく「焦り」に囚われてしまうこと、誰にでもあると思います。

他の人に「焦ってない?」「焦らなくても大丈夫だよ」などと言われて、ハッと、初めて自分が焦っていたことに気づくことも多々ありますね。

私はもっぱらせっかちなので、よく人から、「焦りは禁物」という言葉をちょうだいします(苦笑)。

最近なるほどと思ったことなのですが、「焦り」も感情の一つなのですね。

怒り、喜び、悲しみなどと同じ感情である「焦り」。このサイトで何度かお話ししている「原始人モード」で言うと、その機能は

「今の危険を予測し、備えさせる」。

ちなみに、不安の機能は「将来の危険を予測し、備えさせる」。焦りは「今」、不安は「将来」に向かっている感情、というわけです。

原始人が猛獣に襲撃されそうなとき、「焦り」があるから、「今」行動できる。でも、もともとはやるかやられるかの場面で使われた機能です。現代においては過剰になりがちなので、その意味でも、たしかに「焦りは禁物」。事実、焦って良い結果になることってまずありません。

でも、すごく微妙な違いなのですが、「焦りは禁物」と言っても、「焦りを感じることが禁物」ではないのです。

「感情のケアプログラム」の基本でいうと、感情は我慢したり、押さえつけたりするのではなくて、発生は認めて「ケア」をすればいい。この基本にそって「焦りは禁物」を厳密に表現すると、

「焦り(という感情)は感じてもいい。でも焦りを感じて、衝動のままに行動するのは良くない」

ということなのです。

ここに気づいたら、私自身、すーっとラクになりました。まず、焦りを感じる自分を否定しなくて良くなりました。感情と自分の評価をいったん切り離せることに気づいたのです。

案外、人って「焦りは禁物なのに、焦ってしまって、ああ恥ずかしいな」とか、「人前で怒ってしまった…」「いつまでもクヨクヨして、私はダメだ」などと、どこか無意識に自己否定していませんか。気づかないうちに「感情」と自分の評価がくっついてしまっているのですね。

でも感情は発生して当たり前。ピークが過ぎてから、「行動」を選べればいいだけ…。

そんなふうに思えれば無理がないから、とても「省エネ」でおトクなのです。

もし今「ああ、焦ってしまって悪循環だなー」と悩んでいる人がいたら、このことをちょっと思い出してみてくださいね。

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