
【体験談】My Story
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自分に優しく/耳管開放症、その後
ここまで、めぐり合わせで出会った二人のカウンセラー、下園先生と尚さんの共通項である「自分に優しく」についてお話してきました。
お二人の了解をいただいているものの、内容はあくまで私なりの解釈であることを今一度ご理解いただき、興味を持たれた方はそれぞれの著書でオリジナルをお読みいただくことを、ぜひともおすすめいたします。
さて、「自分に優しく」とは、不思議なもので、私の人生の課題でもあるようです。
心身の調子はすっかり良くなったものの、ごくわずかに「耳のつまり」という症状(耳管開放症)が残る私。とある耳鼻科でその治療をする中で、このテーマが、私の中にも浮上してきたのです。
その耳鼻科で提案されたのは、シュタイナー医学の理論に基づいたアロマテラピー治療。全身にアロマを塗り(マッサージというよりも、オイルを貼っていく、というイメージ)、最後は30分ほど、毛布にくるまれて静寂の時間を持ちます。
5回目くらいまでは、その時間は気持ちの良いリラクゼーションタイムでしたが、6回目くらいに、ふと浮かび上がってきたシーンがあったのです。それは、反抗期に親からこっぴどく怒られた場面。そして、そのときの「感情」が呼び水となって、あるイメージにたどり着きました。
黄土色のクレヨン。
水色のスモッグ。
幼稚園時代の私でした。
その二つは、「キライ」だけど、「キライ」と言えなかったモノのシンボル。言いたくても言えなかった、言葉にすらできなかった「気持ち」が姿を現したのです。
「キライだ」「イヤだ」「面白くない」
私の中には、表現されなかった「私」が無数にいる…。両親のしつけや、自分なりの成功体験や解釈で、「そんなこと言っちゃダメ」「感じてはダメ」と口をふさいできた、「小さな私」がいっぱいいることを感じたのです。
私は、無意識のうちに「自分にダメ出し」をしながら大人になった。自制をしながら頑張ることは、途中までは私の必勝パターンでした。でも、それをやり過ぎてしまったので、40歳を超えてバランスを欠いてしまったのでしょう。あまり「自分に優しく」できていなかったのです。
耳のつまり(耳管開放症)について、下園先生も尚さんも、これまた同じように、「それは、あなたの“ストッパー”です」と言います。
「それは、パッとは治らない。少しずつ少しずつ調整されていくうちに、気がついたら消えていると思います」とは、下園先生に言われたことだったか、尚さんに言われたことだったか…。
いずれにしても、弱い自分にムチを打って走り続けるような、あの世界にもう戻れないように、私には私のストッパーがついたのです。
私が、本当に「自分に優しく」を受け入れたとき、身も心も「自分に優しく」なれたとき、ストッパーは必要がなくなる。そのとき、耳のつまりも完全に消えるのでしょう。