
【体験談】My Story
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【うつ予防の小さなヒント】不安がわいたら1秒ルール
うつ状態を経験してから2年。この間に、下園先生の「感情ケアプログラム」を通じて、「感情」の仕組み、取り扱い方について学んできました。
辛かったあの状態に2度と戻りたくない、その一心で学んできたのですが、最近、なんとなく、私なりに“見えてきた”ことがあります。
理論やメソッドなど、根幹の部分は先生の著書や講座にお願いすることにして、ここでは、意外に効き目があったと感じる、小さなコツを紹介します。
例えば、「不安」感情のちょっとした取り扱い方。
不安の感情って、気持ちのいいものではありません。
ちょっと不安になったら、不安が不安を呼ぶ、あの感じ。冷静になればごく小さな出来事が、頭の中のシアターで、“最悪の場面”となって、スクリーンいっぱい、迫力満点で上映されてしまう。うつ状態にあってもなくても消耗してしまいますよね。
でも、1秒、自分にある質問を投げかけるだけで、ムダな消耗をある程度ストップできるようになりました。
その質問とは、
「今、何時?」
です。
不思議なのですが、わーっと不安にかられるときは、多くの場合、午後4時以降から夜。
なぜでしょう。ちゃんと理屈があるのです。
不安という感情は、原始の時代、人間に「将来を予測させる」機能を果たしていました。不安の感情があるから、原始人はあれこれ悪い事態をシミュレーションして、敵の襲撃や飢えに備え、それで種として生き延びることができたのです(詳しくは感情ケアプログラム講座か、朝日新書「人間関係の疲れをとる技術」を参照してくださいね)。
そして、ここからは私の仮説(確信でもある)なのですが、日没は原始人にとってさらに命の危険が増す状況。おのずと、不安の感情(最悪の事態の予測力)は強く働いてしまう…ようなのです。
だから、ふっと不安にかられたとき、自分に1秒、問います。
「今、何時?」
多くの場合、午後4時を過ぎている(冬場は3時くらいのことも。日没1時間くらい前からなのかな、とも思います)。
すると、私の頭の中では、「またこの時間か。ははーん、それで不安は過剰になるのね」と少し冷静な分析。これで、不安感情の波を少し逃すことができます。
決して、たちどころに解消するわけではありません。ですが、少なくとも、この1秒で、不安の「大シアター上映」は避けることができるのです。
不安以外にも、なんだかちょっとイライラするときや、人間関係でザワザワするときには、次の質問を問いかけてみます。
・私、お腹空いていない?
・私、寝不足じゃない?
・私、今、生理前?
・私、疲れていない?
すると、ほぼ100%に近いくらいの感覚で、このうちのどれか一つに必ず当てはまります。要は、お腹が空いていたり、疲れていてエネルギーが低下しているから、もともと現代人に過剰な感情が、さらに過剰に「アラーム」として発動してしまうわけです。
そうしたら、あとは、何か食べるか、お風呂に入るか、もう寝るか。いずれもできない時は深呼吸をするか。
笑ってしまうくらい、シンプルなことですが、これが効果てきめん。その場、その時には効果はそれほど感じられないのですが、数カ月も経つと、自分のエネルギーが底上げされてくるのです。「感情の過剰発生で、気づかない間に消耗している」回数と時間が減るからなのでしょう。
不安やイライラを感じるとき、その原因と格闘するよりも、エネルギーの回復をした方がよっぽど有効。「これで不安が解消できます!」とか「たちまち元気になります!」といったハッキリしたものではないので、やや歯切れが悪いのですが、でも、どうやら、感情とはそんなもの、らしい。こんな“ちょっとしたこと”が、うつ予防にかなり効果を持つようです。
ちなみに、「感情ケアプログラム」のメソッドでは、不安は最初の波が収まったら、決まった時間をとって、具体的に、集中して行動計画を立てるのがさらなる対処法です(何度も言ってしまいますが、詳細をきちんと知りたい方は、講座か著書を参考にしてくださいね)。
とにもかくにも、不安がわいたら、「今、何時?」。
あ、でも効果がなかったり、その時間が真っ昼間だったとしても、それこそ不安にならないでくださいね。正しいかもわからない個人的な小ワザなので、合わないだけかもしれません。
ぜひ「感情ケアプログラム」の正式なメソッドを試してみて、ゆっくりと自分に合った対処方法を編み出してみてください! そして、よかったら教えていただければ幸いです。