私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.9
10/24
UP

薬のこと

11月、下園先生とSさんのカウンセリングとは別に、心療内科にも行きました。「エネルギーを回復させるためには、医療の力を借りたほうが断然治りが早い」という下園先生のアドバイスに従ったのです。休職のために、会社に診断書の提出も必要でした。

結果的に、私の場合は、投薬による治療はなくてすみました。

初回に処方された抗うつ剤が合わず、副作用が出たのです。次は自分に合った種類を探して、また別の薬を試すのが通常なのですが、副作用に耐える自信がありませんでした。

第1回カウンセリングのときに、そのことを下園先生に訴えたところ、「あなたの今の状態ならば、抗うつ剤はなくてもいけるかもしれない。副作用を心配するのは気が重いと、正直にお医者さんに相談してみるといいと思うよ」との回答。

幸い、うつ状態の度合いを測るテストでも、私は「うつ病の入り口レベル」という診断が出ました。クリニックの先生に「薬をどうしても飲みたくないのですが…」と話すと、「では、あなたの場合は薬はなくてもいいでしょう。休職ということですから、ゆっくり休みながら治療できるしね。導眠剤と頓服の抗不安剤だけは念のため処方してあげましょう」とあっさり、投薬なしをOKしてくれました。

「十分つらかったのに、これでも、まだ入り口なんですね」と、思わずぼやくと、「そうだね。初診でワッと泣き出す人も多いですよ」と先生。図らずも早期休職、早期受診となったことが、ここでも幸いしました。

ただ、このサイト全体もそうですが、特にこの投薬に関しては、私自身の、今回におけるケースの診断であることを、特記させてください。

薬については、本当に色々な考え方があります。私の場合はもともと薬が苦手なタイプで、うつの度合いもたまたま軽い段階での受診。積極的に投薬なしの道を行くことが許されました。

ですが、下園先生も、のちにお世話になる鍼灸の先生も、「決して投薬治療を否定すべきではない」という考え方。私自身ももっとつらい状態だったら、おそらく薬の力を借りたと思います。

うつ状態とは心身のエネルギーの枯渇。本格的な回復に備えて、一時的に薬で体力気力を補強することは、かなり有効と思われます。とはいえ、うつ状態で副作用が出てしまったら、本当につらい。その場合は、かかりつけの医師や薬剤師とタグをがっちり組んで、相談しながら、頼りながら、薬選びを進めていくようにしたらいいと思います。

いずれにしても、最初は”緊急事態”。本人が「納得できる」「助かる」と思える方法を選べること。周囲の方々も、ぜひその点に留意してサポートしてあげてほしいと切に思います。

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