私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.31
9/2
UP

カウンセリングのプロ視点

元自衛隊メンタル教官の下園壮太先生と、メンタルレスキュー協会のSさんのカウンセリングで、うつ状態を脱してから3年。

「同じ苦しさに悩んでいる人の参考になれば」とこのサイトに体験談をつづりましたが、カウンセラーやカウンセリングを勉強されている方から「あの下園先生がどんなふうに面談をしているのか、興味深かった」という感想をいただくことがあります。

テレビドラマなどでよくある“カウンセリング”は、プライバシー重視の閉じられた部屋で、ぬいぐるみや箱庭セットを前に号泣するイメージ。

ところが、Sさんが指定してきたのは、渋谷のオープンなカフェ。

「本当にカフェでいいんですか?」

「あ、大丈夫です。いつもそんなものなんです」

と、Sさんと会話したのを今でも思い出します。

下園先生とSさんと、私。コーヒーやジュースを前に、一見「楽しくおしゃべりしている3人」の図(うち1名はやや表情が硬いのですが…)。

結局、一度もぬいぐるみを抱きしめて号泣する場面もなく、カフェ雑談風カウンセリングは終わりました。

でも、この「雑談風」に、いかにプロのノウハウがつめこまれていたか。

いかに周到に観察され、計算され、進行していたか。

それがわかる本が発売されましたので、ご紹介します。

「クライシス・カウンセリング」(メンタルレスキュー協会著、下園壮太監修。金剛出版)

 

メンタルレスキュー協会の真骨頂は、「クライシス・カウンセリング」。

クライシスとはおもに「惨事」のこと。自殺、事件、大事故、大自然災害のほか、ごく個人的な大きなショックも含めて、おもに「死にたい気持ち」を持つ人、惨事直後のカウンセリングを専門としています。

本の内容は専門的ですが、事例や生の声も入って読みやすい一冊。カウンセラーの方や、勉強中の人が参考になるのはもちろんのこと、会社や家庭、地域などで、“カウンセラー・マインド”が必要な方にも、ぜひ一度読んでいただきたい本です。

 

個人的に、うつの経験は、人生最悪の出来事でした。

でも、下園先生をはじめ、メンタルレスキュー協会の皆さんに出会えたことはこれ以上ない大きな出会いでした。

今の私には、うつ以前とは、世界が全然違って見えています。

クライシス(惨事)にあるとき、人は最弱になります。そのとき、何が起きてくるのか。何が救いとなるのか。

私はカウンセラーではありませんが、「クライシス・カウンセリング」の世界を知ると、今までにない視点で「人間というもの」が垣間見えてくる気がするのです。

最後に。「身近で自殺が起きてしまった」「どうしてもうつから抜けられない」などのケースを見聞きしたとき、ぜひメンタルレスキュー協会の存在を思い出してほしいと思います。クライシスのプロの力をぜひ借りてくださいね。

メンタルレスキュー協会

http://www.mentalrescue.org

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る