私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.20
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UP

最後のカウンセリング

少しずつ季節は春へ。「自分を甘やかしていいタイミングですよ」。この言葉に従って、私は家族の用事以外は極力外し、のんびりと日々を過ごしていました。そして、4月中旬。「うまく行くならば、この日が最後のカウンセリングになる」という日を迎えました。

耳鳴りは消えたものの、耳のつまりはわずかに残っています。静かな生活を心がけていましたが、一方で娘の学校のことなどで気忙しいことも。以前に比べたら元気ではありましたが、好調とは決して言いきれない状態でした。おなじみのカフェに向かいながら、これでは終わらないだろうな、どうせ来月もあるだろう、と思っていました。

カウンセリングでは、いつもどおり、1カ月の経過を報告。心身の調子について、気がかりなことをあれこれ話します。そして、いつもどおり、下園先生がニコニコしながら、今の私の状態について分析してくれました。疲労のレベルは確実に、第2段階から第1段階へと軽くなったこと。ただし、「疲労のコップ」は、元気だったときよりも、まだあふれやすいことは間違いない。1日動いて疲れたら2日休む、というふうに決めて、体調を管理していくこと。「予定が詰まってきて気が重たくなってきたら、3つの予定のうち一つを外せばいい。これは、僕も実践しているんだよ」と下園先生。「疲労を管理する」。それが、私のこれからの生活のテーマになりました

ひと通り話が終わったころ、ふいに下園先生が切り出しました。

「ひとまず、月1回のカウンセリングは終わりでいいでしょう。今後は、自分で疲労に気をつけながら過ごして、何か、話し合いたいテーマが出てきたときに、改めてお会いしましょう」

「え? 終わっていいんですか?」

「いいですよ。それにしても、薬も飲まず、月1回のカウンセリングだけで、よくここまで回復しましたね。よく頑張りました」

ほめられて照れくさいのと同時に、うれしさがじんわり、こみ上げてきました。11月から6カ月。ずっと支えてくれた下園先生とSさんに、この形ではもう会えない寂しさも浮かんできましたが…。

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