私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.13
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真面目すぎるとうつになる?

うつ状態の渦中にあるとき、実際に言われて苦しい言葉がありました。

「あなたが真面目すぎたから」「もっと気軽にやればいいのに」

真面目すぎるとうつになる? ハイ、たしかに、私も、以前はそう思っていました。そして、「うつなんて、自分には関係ない」とも…。今、経験者として、もしそう言われた場合の回答は次の通りです。「性格が真面目すぎるから、うつ状態になるのではないと思う。ただし、うつ状態になった後は、どんな人も、いつのまにか真面目すぎる人になる気はします」

何度か書いていますが、うつ状態の大きな原因の一つは、心と体の「疲労」。重要なのは、疲れていないか、休めているかどうか、エネルギー状態がどうなのか、なのです。もちろん、疲労をためこみやすいライフスタイルの背景には、その人が持つキャラクターも大いに関係するとは思います。ですが、少なくとも、苦しんでいるときに、性格や気質のことを問われても、何の解決策にもなりません。

うつ状態にある方への接し方で悩まれている方も多いと思います。前述の2つの言葉も、私の気持ちを少しでもラクにしてあげたい、という思いから発せられたものなのでしょう。

少し例えが悪いかもしれませんが、うつ状態の渦中にある人は「溺れてしまった人」と考えてください。普通、今溺れている人に向かって、「あなたの泳ぎ方がまずい」「もっと気楽に泳いで」とは言わないですよね。まず、やるべきことは、その人に手を伸ばし、ただちに岸に引き上げること。溺れてしまった原因や泳ぎ方の問題は、冷えた体を温め、落ち着いたその後の検討で十分。本人が元気になったときに、話し合えばいいのです。

下園先生はこんなことも話してくれました。「よく、うつになった人は、治った後もまたなりやすいのか?という質問を受けます。答えはイエスであってノーです。それは交通事故に遭った人が、また交通事故に遭いますか?という質問と同じなんです。道路をわたるときによく見ないタイプとか、多少そういう傾向はあるかもしれないけれど、基本的に交通事故に遭う確率はみんな同じ。うつ状態も同じなんです」

先日、ある人から、こんな質問を受けました。「第二のあなたを、今後職場から出さないためにはどうするべきなの?」

私の答えは2つです。

1つ目は、元気なうちに休みを組み込むことの徹底。そして、休みはハシャギ系だけではなく、静かなダラダラ系、癒やし系の過ごし方を心がけること。楽しいハシャギ系は疲労することを前提に、スケジュールに組み入れること。

2つ目は、うつっぽくなったり、すでにうつ状態になってしまった時に、淡々と「告知」する第3者の存在がいること。イメージは「インフルエンザ」に罹患したとき。熱っぽくてだるいとき、インフルエンザ検査をしたら陽性。医者は、本人が抱えている事情や仕事にお構いなしに、「検査結果は陽性。出勤停止です」と告知します。たとえ締め切りが迫っていようと、またとない仕事があろうと、陽性である限りは直ちに自宅療養。本人も周囲もあきらめることができます。

私はたまたま早期休養がかないましたが、うつ状態の深刻化を防ぐには、早めの処置が何よりも重要。この2つだけでもかなう環境ならば、深刻化をかなり避けられる気がします。

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