私のうつ最短回復ストーリー
【体験談】My Story
vol.6
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UP

小さなミラクルと厳しい現実

さらに、小さな奇跡は続きました。

勉強会で、下園壮太先生と対面。初めて会う下園先生は、自衛隊のメンタル教官だったというプロフィルに似合わず、終始にこやかでソフトな雰囲気の人でした。私は、すっかり安心して、うつ状態の渦中にある当事者として、ここぞとばかりに質問をしました(余談ですが、今から考えると、それこそがプロのカウンセラーのなせる技だったのだと思います)。

「心療内科は行かないといけないでしょうか?」

下園先生「病院は抗うつ剤を処方してくれるところ。うつ状態はエネルギーが落ちています。最初は薬を飲みながら対処したほうが断然治りが早いですよ」

「今、私は43歳ですが、いわゆる更年期の症状との違いはなんですか?」

下園先生「その疲れが更年期かどうかの判断はなかなか難しいのですが、どちらにしても最初の対処は同じなんです。要はとにかく休むことです」

「まずは1、2カ月休めばよいとのことですが、その後のリハビリ期はどのように過ごせばいいのでしょうか? 何に気をつけて過ごせばいいんですか」

下園先生「リハビリ期は、周囲は治ったと思っても、本人的には、最悪だったときのレベルまで気持ちが落ちる、つらい時期です。この時期の過ごし方は…、正直、なかなか説明しづらい、むずかしいものがあるんです。あなたのリハビリは、僕が支援しましょう」

そう、これこそが、小さな、でも私にとっては大きな奇跡。勉強会をご縁に、下園先生のカウンセリングを受けられることになったのです。後に聞いたところによると、ちょうど自衛隊を退官され、一般のカウンセリングを受け始めたタイミングだったとか。もともと本をすすめてくれた”下園ファン”のママ友は「えー?! すごいミラクル!」と、コトの展開にひっくり返っていました。

ただ、その勉強会では、一つ、残念な説明がありました。それは、ひとたびうつ状態に陥ったら、いろいろなケースがあるけれど「完全に治るまで通常1年」ということ。

「1年も…」。となりに座っていた役員の肩が落ちたのがわかりました。週単位で仕事をする会社に、1年は長すぎます。

キャリアの断絶。厳しい現実でした。

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